解像度の話_20190917

周囲に細かい人間はいないだろうか
細かく考える人は考え過ぎるくらい考えて初めてその世界に辿り着く
精緻な世界を描写するには精緻な物を観察する目が必要だ
時にその精緻さは現実を超えた虚構を作り出すこともある


何の話か。解像度の話である。


秀でた才をもって生まれなかった市井の者たちは物事に対して、
その解像度で世界を見んとして初めてその世界を見る目を鍛える権利を得る
大枚に過ごせば感性は鈍化する

雑な作業ばかりすれば腰を据えて考える事は困難になる
無為な時間を過ごせばやがて考えねばならない事を考えることもできなくなる


何の話か。解像度の話である。


「生まれ持った何かがその特徴や性質を決める」という考え方が、私は余り好きではない
男性と女性で色に関する認識幅が大きく違う事はよくネットでも話に挙がる
女性はそれだけ色や空間の空気や、ひいては世界そのものにセンシティブであるという話だ
こういう表現は「女性は生まれつき敏感で繊細だが、男はガサツで美的センスがない」と言っているようで余り好きではない
マサイ族の女性で再現するのか想像してみる

「ならないだろうな」と思う 想像だが
アフリカンスは音楽(特にリズム)に対してセンシティブだと私は思っている
これは集団で狩猟を行う際の意思疎通の手法が楽器だったり掛け声だったりしたがために
その原始的なコミュニケーションの力が受け継がれて民族の特徴として根付いたからだ
(そんなものは嘘八百だしアフリカンスがモンゴロイドと比較して本当に音楽的センスに秀でているのかどうかもその根拠や通説があるのかも私はわからない)


何の話か。解像度の話である。

 

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全ての問題は先送りにしたところで、然るべきタイミングに必然性をもって再現する
全ては避けて通れず、避けて通れたかのように見えた問題は
やがてより凶悪な獣となって、より都合の悪いタイミングで人生の前に立ちはだかる

熊の場所


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新しい言葉や概念を得る事はそのまま世界を拡大する事だ

 

「先生、今日のクリース決まってますね。」

 

「え?」

 

「クリースですよ、クリース。知らないんですか?スラックスのラインの事です。」


昔の会話だが、ズボンの折り目の事をクリースと呼ぶ事を知らなかった私はこのやり取りで一つ世界が広がった
多くの事を知る事は、そのまま自分の世界を豊かにすることだ
多く知る者は少なく知るものより多くの想像力を持つことができると信じている

尤も、クリースなんていう概念は存在しなくてもズボンの折り目としてそこに存在しており、
実態は概念なくしてもその世界に存在してはいるわけだが・・・

プロトコルを沢山持つものは多く会話する事ができるように、多くの概念を保持するものは多くの事柄に敏感に向き合う事ができる
英語版wikipediaの総記事数は日本語版wikipediaの何倍かご存知で?


何の話か。*%$'@#:


みんなのミュシャ展/bunkamuraに行って感じた事と不満足且つ豚の話/20190917